歌舞伎

そんでもって、歌舞伎の話。

歌舞伎ってのは、江戸時代に出雲阿国という女性が始めた「かぶき踊り」をルーツとしている

というのは、あまりにも有名な話だ。よくドラマになっているし、ちょっと前には菊川怜が演じたのを見た。

私なんぞは、出雲阿国というと、すぐ木の実ナナが思い浮かぶ。

この男装の麗人の常軌を逸したパフォーマンスは、当時の江戸の庶民に圧倒的に支持され、

「阿国かぶき」は大ヒットしたそうだ。その後幕府によって女性が芝居を演じる事が禁じられたり、

「かぶき」という表現さえ禁じられたりしたそうだ。それほど、この芝居は庶民を熱狂させた、ものすごい

パワーを持った大衆芸能だったのだろう。

それが今や歌舞伎というと、やたら格式ばった難しい、庶民には無縁の芸能になってしまっている

気がする。役者自体が家柄だの梨園の御曹司だのとほめそやされ、その芸の本来の

魅力というか、力強さをもった、江戸時代に庶民を熱狂させたスーパースターのような存在としての

役者が今いるのだろうか。名前を聞けば誰もが知っている役者でも、その人の芸は?というとわからない。

図書館で見つけた「歌舞伎にアクセス」という本のなかで、主な芝居の演目が紹介されている。

そのほとんどが男女の色恋話やそのもつれからの刃傷沙汰の話だ。また、勧善懲悪物や史実に

基づく話もある。それらを派手な衣装で抑揚をおもいっきり効かせて演じるいわゆる日本版ミュージカル。

この歌舞伎が江戸の庶民にやんややんやと熱狂して受け入れられたように、

平成の私達にももっと日常的に受け入れらてもよくはないか。

見てみたいと思う演目はたくさんあるが、なかでも私がおもしろそうだと思ったのは、

「暫」という歌舞伎十八番のなかの演目だ。悪者が臣下に命じて、善人を処刑しようとすると、

「しばらあ~く」と言って正義の味方が出てくるというもの。それぞれのいでたちがまたすごい。

まるでアニメかスラップスティックか、というふうに紹介されているが、コントみたいでおもしろそうだ。

歌舞伎を、格式ばった難しい、一部のファンと金持ちの道楽、みたいに思わないで、

もっと身近な大衆文化として受け入れてみようかな、と思わせてくれた本だった。
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by morinotomosibi07 | 2009-04-22 07:59 | 世の中のこと  

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