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乙女なママ友

土曜の夜は、これまた久々にママ友の集まりにはせ参じた。

長男ケイさんが高校野球をしていた時の同学年のメンバーのママたちだ。

息子達も今も仲良しだけれど、ママたちもそれに負けないくらいの仲良しで、

集まれば、キャーキャーワーワーとそれはそれは賑やかだ。

それぞれ子供が親元を離れて、一年が過ぎたけれど、まだ寂しさをふっきれずに

どこか元気のない人もいる。「わっわっ〇〇さん、泣いてない?」と、指差す方を見ると、

息子達の話題の途中で涙ぐむ人もあり。「えっ?マジで?」たまらずハンカチで顔を覆ってしまう

人もいる。まっそれはわかる。まだ思い出話にするには、生々しい。

しかし、驚いたのは、この人は今もきっと泣き暮らしているだろうな、と思っていた人が

意外とサバサバしていたこと。夫婦二人暮らしにもすっかり慣れ、「今楽しいのよ~」と

華やいだ声。なんでも今はご主人ととっても仲がいいらしいのだ。

子供が帰省を終えて戻った後は、少し淋しいらしいが、また夫婦二人の生活にリズムが戻ると

とっても楽になって、ほっとするそうだ。あんなに息子マイ・ラブだったのに。

「やっと子離れしたのかな?」と言うけど、それだけではなさそうだ。

だって、ご主人のことを話すときは、なんだか目がトロンとなって、恥ずかしそうなのだ。

しかも、「テレビ見るときにね、手つなぐのよ」って、はっ?なにそれ?悪い冗談やろ?うそやろ?

一同驚いて、店中に響き渡る声で叫んだ。「ウソだと言ってくれ~」

いや、マジな話らしい。「それってどういうシチュエーションなわけ?怖い映画とか、

そういうの見る時?」  「ううん。そんなんじゃない。えっ?手とかつながない?」

つなぎません。つなぐ意味がわかりません。つなごうとも思いません。

「今はどこへ行くのもいっしょなの」 わかったから、いちいち目をトローンとさせて

言うんじゃありません。

でも、仲がいいってことは素晴らしい。ご主人は幸せ者だ。なんせ、このママは、とっても

とっても美人なのだ。目なんか、こーんなに大きくて、色白で、華奢で。

「電車男」が流行ったときはみんなして彼女のことを「エルメスちゃん」って呼んだもんだ。

私と同じ歳なので、そうとうオバサンなんだけど、いやいやかわいいのなんのって。

この日は、体にピッタリした薄手のアイボリーのニットのセーターに、ブラックデニムの

これまたスリムなパンツ。洗面所に立った彼女を下から見上げるような形になった私は、

ちょっとドキっとした。帰り際には、その上にベージュのトレンチコートをはおった。

腰にベルトを通すと体の細さがいっそう際立って、私が男だったら、

きっと「寒いやろ?」と言って、抱きしめたに違いない。性格も今でも少女のようというか

乙女チックなのだ。私にも少女の頃はあったけど、乙女ではなかったし、まわりにも

本物の乙女はいなかった。彼女は宝塚の娘役にピッタリなまさに乙女なのだ。

一度みなさんにお見せしたいくらいだ。そんな彼女だから、息子君にとっては自慢のママに

ちがいない。ママはママで、屈強でたくましく、心優しい息子君に胸をときめかせたのだろう。

なんにでも一生懸命な彼女は、せっせせっせと息子君の世話を焼いていた。

「野球のことは何にもわからないから、せめてユニフオームをまっ白に洗おうと思って。

みなさん、どうやって洗ってるの?」と聞く彼女に、「自分で洗わせろ!!」と言ったら、

「そっそっそうねっ。」と顔をポッと赤らめたりなんかするので、私はその顔を見たいばっかりに

よくキツイ冗談を言ってやった。

そんな一生懸命に息子の世話を焼く彼女のことを、ご主人は複雑な思いで眺めていたのだろうな。

去年、息子君を家から送りだした後に、彼女はご主人に「今まで子育てに専念させてくれて

ありがとう」と言ったそうだ。すると、「今までお疲れ様でした。これからは夫婦二人で仲良くやって

いきましょう」とご主人から言われたそうだ。

今はご主人の世話をせっせせっせと焼いているそうだ。私は、そんなご主人がうらやましい。

私にもたまに彼女を貸してくれ~  って、そっちかよ。

いやいや、私も彼女を見習って、夫婦仲良くすることにしよう。

でも、手は絶対つながないけどね。

by morinotomosibi07 | 2009-04-28 13:21 | 友達のこと  

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