磨くこと

一時に比べると、体調がまあまあいい日が続いている。大嫌いな薬に頼るのをやめて、

なんとか自力でがんばろうと試みている。しかし、ひとつだけ、「イチョウ葉エキス」と

いう薬というかサプリメントだけは飲んでいる。これを飲み始めてから、なんだか調子がいいのだ。

こういったサプリメントの数々を片っ端から試しては、すぐに「どうも肌に合わない」と言って

放り出すのがダンナなのだ。

これまでに、梅肉エキス、笹ヘルス、シイタケのなんとか、はちみつのなんとか、

マグロの目玉だけが入った缶詰まであったぞ。しかもダンボール入りで。

そうやって、ありとあらゆる健康サプリメントを買ってきちゃあ、一粒飲むたびに

「おっ効いてきたぞ」とご満悦。三日飲んだら、「お~最高に調子がいいぞ」

「今まで何回その言葉を聞いたことか」と私が言うと、「いや、今回は違う。明らかに効いている」

とほざいた舌の根も乾かぬうちに、「どうも、胃の具合がおかしい。この薬のせいやな。」

ほら、始まった。「残りはどうすんのよ~」と言うと、決まって「おまえが飲めばいいじゃないか。

案外効くかもしれないぞ」  って、何に効くってえんだよ。

とか言って、もったいないので、結局私がほとんど飲むはめになる。

さすがにマグロの目玉は無理だったけど。そして、効果のほうはというと、なにがどう

効くんだかさっぱりわからない。ただ、「イチョウの葉エキス」だけは、どうも効き目があるようだ。

まず疲れにくくなった。とくに朝の具合がいい。

早朝に一仕事終えて帰ってくると、次の出勤の時間まで1時間ほど仮眠していたのだが、

今はこの朝の2時間ほどの間、いろんなことをするようになった。

まずは外回りの掃除や花の水遣り、床やら棚やらの掃除、パソコンを眺めたり、

本も読む。こういう時間を前は仕事がOFFの時しか持てなかったのだけれど、

今は毎朝持てている。そのおかげで、休みの日にまとめてしていたいろんなことを

焦ってしなくて済むので、逆にゆっくりできるという相乗効果が生み出された。

階段の隅のわたぼこりを、「見なかったことにしよう」「だって私忙しいんだもん」

「ほら、こんなに疲れちゃって」とつぶやいて、気づかないフリもしなくて済む。

「まったく、誰も掃除しようとせんのかあ。おめえらも住人だろうがあ」と嘆く事もしなくて済む。

「あら、今朝も階段きれいじゃない?」「ほこりさん、どうされました?」

「スキがあったら、かかってこんかい」とモップふりあげ、今朝も戦闘態勢。

この妙にハイテンションで、パワーみなぎる早朝の時間が、今のところ気に入っている。

しかあし、しかし、なのだ。今朝、「窓でもみがこ」と軽い気持ちで久々に拭き始めたら、

これが汚れはとれないわ、時間はかかるわ、汗は吹き出るわ、動悸はするわで、たあいへん。

ガラスを睨みつけながら思った。(みがくってことは大変なことだ) 

「みがくっていうのは、技と根気と体力がいる」とひとりつぶやき、呆然とたちすくむ私を

ダンナが不思議そうに眺めていた。そう、磨くっていう作業を簡単に考えちゃあいけない。

窓を磨く。鍋を磨く。便器を磨く。靴を磨く。アンタはそういう作業を真剣にしていたの?

そこんとこどうなの?

と自問してみると、こういう答えが出た。窓は拭いていた。鍋は洗っていた。便器はこすっていた。

靴は洗うか拭くかしていた。磨くのとは違う。

こういうのもある。腕を磨く。技を磨く。センスを磨く。女を磨く。こんなのからっきししてないし。

磨くっていうのは、今の私にはけっこうハードル高いぞ。

時間と体力はどうにかなりそうなので、技を身につけて、磨くことに、もっと真剣に立ち向かおう。

よし、明日から毎日窓磨くぞ~
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by morinotomosibi07 | 2009-04-30 13:33 | 自分のこと  

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