コンサートの夜

昨日はかねてから楽しみにしていた「九電ふれあいコンサート みんなのクラッシック」
という催しに出かけた。
四女レイは吹奏楽部員ということもあり、招待券が学校に届いていた。おうちの方も
どうぞ!ってことで、仕事が終わってから、ちょっとオシャレして出かけた。
しかも、レイはリハーサルから見学してもOKということで、超ハイテンションで出かけた。
さらにさらに、出演者に花束を贈呈する役目もおおせつかって、これまたテンションあがりっぱなし。

九州交響楽団の演奏も素晴らしかったが、そこにフューチャーされた楽器奏者は
あのNHK連続ドラマ「瞳」のオープニングで朗々とトロンボーンを吹いていた「中川英二郎」さんだ。
ジャズが本業ということで、おなじみの「チムチムチェリー」をスイング感いっぱいにアレンジして
演奏してくれた。その長い手足は、トロンボーンを吹くために生まれてきたような感じだ。
自由自在に管をスライドさせての即興演奏は、クラッシックのコンサートながら
ジャズの醍醐味を見事に伝えてくれた。
その演奏を一番前の席に陣取り、うっとりしながら聞いていたのは、レイの友だち、カスミンだ。
彼女はブラスでトロンボーンを担当している。あまりの圧倒的な演奏に感動したのか
途中何度もハンカチで顔をぬぐっていた。
「ぼくがトロンボーンを吹き始めたきっかけは、ベニーグッドマン率いるビッグバンドの
シング・シング・シングという曲を聴いたからです。映画スイングガールズでおなじみですね。
そのトロンボーンがかっこよくって」と中川氏。

(カスミン!それってアンタも吹いたやろ!)と叫びたかった。
見ると、カスミンは手にハンカチを握り締め、固まったようにピクリともしない。
もう一杯、一杯なのだろう。

コンサートが終わったあと、ロビーに興奮さめやらぬ顔で集まったブラス部の女の子たち。
「トロンボーンの人のサインがほしい」だの「握手してもらいたい」だのと、なみだ目で
訴える。レイが「私が頼んでくる!!」と九電のスタッフのところへ。
なんだかんだと交渉の結果、最初は代表だけということだったが、あまりの熱意に
ロビーまで来てくれることに。「良かったね。カスミン!ちゃんと自己紹介するんよ。
私トロンボーン吹いてます!とか、シング・シング・シングやりました!とか」
カスミンは「うん、わかった。」と力強くうなずいた。

「きゃあああ~」 中川さんがロビーに姿を現すと、彼女たちが奇声とともにいっせいに
駆け寄った。まるでアイドルの出待ちだ。
「この中でトロンボーン担当の人は?」と中川さんが聞いてくれた。
カスミンが一点を見つめながら、まっすぐに手を挙げた。
「君名前は?」  「か・か・かすみ…」 蚊の泣くような声で答えた。
「はい?」  「か・す・み」  「あ~かすみちゃんね」
カスミンがサインしてもらおうと差し出したのは、なんと中学校指定のあの手提げのバッグだ。
「セカバン」とかいうあのおそろいのダサいバッグだ。
(えっ?それでいいのか。持ち物検査とかで「なんだこの落書きは?」とかいって
先生に叱られないか?)と思ったが、カスミンは最初からそれにサインしてもらうつもりだったらしい。
もう自己紹介どころじゃない。そこで、レイが「わたしたち、シング・シング・シング演奏しました」
と言った。「へ~やるじゃない。演奏会とか出たりするの?」 またしてもレイが
「ハイ!この前、金賞取りました!」

彼女たちは部活生らしくみんなで「あざ~っす!!」と大きな声で挨拶して、
憧れの人の背中を見送っていた。
カスミンは、「このカバンは家宝にする!」とか「私お嫁さんになる!」とか
「子供の名前は英一にする!」とかまだまだ興奮がさめないようだった。
ほんとに良かったね。この日のことはきっと大人になっても忘れないだろうな。
レイも含めて他のメンバーたちも、本物の演奏に触れる機会を与えてもらえてほんとに
良かった。いっそう部活に励むことでしょう。ガンバレ、スイングガールズ!
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by morinotomosibi07 | 2009-08-26 18:33 | 四女レイのこと  

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