異国情緒


何回か行ったんだけど、いつも閉まっていた、カフェ。

今日も着いたら、なんか工事の方が駐車場にいらしたので、

車停めてはみたものの、帰ろうかなと思ったら、「どうぞ」

と、恥ずかしそうに、その方が招いてくださったので、

よかったー、と思って中に入った。

なんか、ドキドキした。

物語のなかに入ってしまったような気がして。

想像どおりのにおいがした。想像どおりの空気だった。

なつかしいような、初めてのような、あったかいような、はりつめたような。

「ちょっと早いみたいいなんですけど、いいんでしょうか」

カウンターの中にいた人が「いいですよ。そのかわり5分ほど待っていただけ

ますか?」  「待ちまあす」

この人だ。想像どおりの人だ。

ロイヤルミルクティにした。

外をながめてたら、鼻がヒクヒクしてきた。

ほら、だから一人で来るのいやだったんだ。

このごろ一人になると、やたら、涙が出る。歳のせい?

どうしよう。帰ろうかな。

ほんと、おかしいよ。なんで、涙がでてくるん。

紅茶まだ来ませんように。

体ごと、庭のほうに少し向けて座った。

止まらない。やばいよ。

オレンジ色のくちばしの鳥がむこうの方にいた。

だんだん、こっちにきた。

地面をつついている。なにしてるんだろう。えさがまいてあるのかな?

なんか、くわえてる。虫?地面のなかにいた?

へー。おいしそう。

空には大きな鳥が、スローモーションのように飛んでいる。

よかった。呼吸が楽になってきた。

もう紅茶来ても大丈夫。

太陽の光がちょっとでもあると、まぶしくて目をあけてられない。昔から。

母によく言われた。「あんたは鼻ぺちゃだけど、目はクルクルして

かわいいんだから、ちゃんと目を開けてなさい。あんたの写真は

いつもおかしな顔なんだから」

ほんとに目開けてられないのに。たぶん目の病気だと思う。

でも、今日はがんばって、目を開けてみた。

雲が浮かんでた。動いていた。

もうすっかり楽しくなって、紅茶が待ち遠しかった。

運ばれてきたカップはミルクティーと同じ色の優しい色。

「おじゃまします」って言ってるようだった。

「どうも」って、心のなかで、挨拶した。

「お砂糖は少し入ってます」

その声にまた鼻がヒクヒクしたけど、がまんした。

すごい甘党の私なのに、ちょうどいい甘さ。これにしてよかった。

また、まぶしいの我慢して、雲をみた。

外国なんか行ったことないけど、こんな感じ?って思った。

あの電線さえなかったら。

お菓子の焼けるいいにおい。

食べようかなと思ったけど、胸がいっぱいで入りそうになかった。

だからいっぱい、いっぱい空気を吸って帰ろうと思った。

居眠りするフリをして、おおきく息を吸った。

そしたら、ほんとに眠くなった。

もう帰らないと。することいっぱいあるんだ。

体の力がスーッとぬけて、ふわふわと雲の上を歩いているようだ。

帰りにコンビニ寄るのがいやになった。

また、ひとりで来よう。だれにも言わずに。

みんな知ってると思うけど、だれにも教えたくないところ。

やっとたどり着いた。
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by morinotomosibi07 | 2007-03-29 17:14 | もりとものこと  

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