ピエロ

これでも、約半世紀生きてきたから、苦しいことや辛い事は

少々あったりしたもんだから、(ああ、その気持ち痛いほどわかる)と

恋に傷付いた乙女の話に耳を傾けながら、(幸せになるんだよ)と

言い聞かせはてはみるものの、(幸せって?)とその意味を

自分に問いかける。

(自分でつかむもの)とまた言い聞かせても、いつもスルスルと

手のひらから逃げ出しそうで、おびえているのはこの私だと

受話器の向こうの乙女に言いそうになる。

出会ったころの彼女の元気いっぱいの笑顔の裏に、深い深い

悲しみがあったことを知ってから、(ああ、この子も)

そう、(ああ、この子もピエロ)って、半分笑って、半分泣いてるような

顔だったことに気付いた。

決して主役にはなれないけど、決してお腹の底から笑ってもらえなくても

ちょっと悲しくて、ちょっといじらしくて、ちょっとおもしろい、

そんな自分に納得して、誰もうらやんだり、ひがんだりしないで

(幸せになりたいの)って願いながら、今日も鏡に向かって

お化粧する。

鏡の中の無表情な顔は、疲れ果てて年取って見えるから、

ちょっと口びるの端を上げてみる。その顔はやっぱりピエロに見えて

自分でおかしくなる。(それも悪くないよ)って、花咲く乙女にはまだ

言えないけど、私は自分に言い聞かせる。

笑ってもらってナンボのピエロが私は大好き。
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by morinotomosibi07 | 2008-05-17 22:08 | 自分のこと  

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