恐怖の昼下がり

お昼休み家に戻り、四女レイと末っ子ミーコのお昼を慌しく作り終えると

レイが「部活の時間に間に合わんけん学校まで送って!」と言うので、

(めんどくさっ)と思いつつ、車に乗り込んだ。(もう!こっちこそ昼寝の時間に

間に合わんやん)と大急ぎでUターン。まずは表のお花に水をあげてから、

(さあ、一眠りするか!)と思っていたら、「おあかさん、鍵が落ちた…」

(落ちた?どこに?)と思って振り返ったら、ミーコが指差す先は…

(えっ?) なんと側溝のなか。側溝の蓋のわすかな隙間から鍵の束がスルンと

落ちたらしい。(まじで?昼寝はどうなる?)

側溝を覗き込むと、(あるある!あれだな) 手を突っ込んでも途中までしか入らない。

ミーコの細い手ならと入るかと思ったら、長さが足りない。

いろんなもので挑戦したけど、どれも使い物にならない。

(そうそう、こんな時はアレだ!)と高枝切りバサミを取りに入ろうとしたら、

(えっ?入れんやん。だって鍵ないんで) そこで、鍵を持ってる家族に電話しようと

したら、(えっ?家出る前、かばんから携帯出してどっかに置いたし)

(えっ?ほら家のなかからだれかからのメールの着信音聞こえてきたし)

じゃあ、三女ユリ氏が鍵持ってるはずやから、学校まで取りに行こうっと。

(えっ?車の鍵も側溝のなかやん) 公衆電話からだれかにに電話しようにも、

携帯がないと番号もわからない。ここで一旦思考が停止した。

すると、ミーコが「おかあさん、これ…」と差し出したのは、

(えっ?車の鍵?) きらきらと輝くそれはまさしく車の鍵。

私のかばんのなかに合鍵が入っていたらしい。(でかしたぞ!ミーコ!)

それまで、責任を感じてちょっと青ざめた顔をして側溝を覗き込んでいたミーコが

いきなり元気を取り戻して、得意気な様子で私を見上げた。

(よし!これでユリ氏の学校に鍵を取りに行こう!!後は、あの高枝切りバサミさえ

手に入れば問題解決だ!!)

学校に着いて、事務の先生に事情を説明をした。授業中かどうか尋ねると

「今ちょうど体育館で人権の講演会をしています」とのこと。(ちょうどって、どういう意味?

むしろ間が悪くないか?)と思ったけど、事務の先生はいたく同情してくれて

「ちょ~っと待っててくださいよ~」と走っていかれた。

(今頃体育館では、ユリ氏のもとに先生がかけより、何やら耳打ちし、焦ったユリ氏が

目を真ん丸くし、回りの生徒が注目するなか、ユリ氏はすくっと立ち上がり、体育館を

出て、こちらに向かう…)と妄想しながら待っていると、にこやかな事務の先生の後から

ニヤニヤしながらユリ氏がやってきた。「これは落とさんでよ!」と鍵をすっと差し出した。

まるですごいプレゼントをもらったような気持ちでミーコと二人、「ありがとう!!」と

言って、帰りの車のなかでは、こんなハプニングなどなんてことないね!と軽口をたたき

ながら、家に向かった。

そして、意気揚々と高枝切りバサミを手に側溝に向かい、そーっと狙いを定めて

差し込んでパクッとつかむと…思った通り、見事にその先に鍵の束がぶらさがっていた。

「ミーコ!とったど~!」 

人間って、一瞬にしてパニックに陥り、絶望感に襲われるけど、ミーコとたった二人でも

一人よりはるかに心強いものだと思った。力をあわせればなんとかなるって、今日は

学んだよね。ミーコ!それと、やたらめったら鍵を振り回さないこともね!
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by morinotomosibi07 | 2008-08-21 14:47 | 末っ子ミオのこと  

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