2008年 09月 09日 ( 3 )

 

決戦の火、水曜日

給料二日前。いよいよ決戦の時。冷蔵庫の残りもの総ざらえ的料理の登場だ。

キャベツと豚肉の重ね蒸し。きれいな段々になるには、何もかもが少なすぎた。

奇跡のように6個残っていたトマトのまるごとサラダ。

トマトをくりぬいた中身とジャガイモとチーズのオーブン焼き。6人で分けるには、あまりに

少なすぎた。こんなときは、せめてデザートをゴージャスにと、思い切って買ったチーズと

フルーツ。

今夜の食卓は、心なしか活気がなかった。正直者者のダンナが黙々と食べている姿が

全てを物語っている。ユリとレイの帰りが遅く、4人でのスタートだったせいもあるけど。

2人が帰ってからは、文化祭や部活の話題でいつものように賑やかな食事になった。

さあ、決戦はあと一日。

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by morinotomosibi07 | 2008-09-09 20:00 | 料理のこと  

食の記憶

住宅街のなかにある小さな食料品店だった私の実家。

祖父母が忙しそうに立ち働き、無口な母が黙々と接客していた。

夕方になると、祖母か母のどちらか手が空いているほうが食事づくり。

たいがい煮物がどんとテーブルに乗り、(またか)と文句を言いながら食べていた気がする。

そんな時、「明日はおじいちゃんが作ったる」と、孫には優しかった祖父がいろんな料理を

作ってくれた。ハンバーグは、つなぎに食パンがいっぱい入っていて、普通のより何だか白っぽか

った。祖父が「ほれ、ステーキやでえ」と言うのは、いつも必ず豚肉。ラーメンはスープから一日

がかりで作っていた。母が間違えてそのスープを捨ててしまって、エラク怒られていたような記

憶がある。祖父は私と妹を自転車の後ろと前に乗せて

時々駅前の喫茶店に連れていってくれて、フルーツポンチをごちそうしてくれた。たしか

「ゆかり」というそのお店の斜め前に高校生になった頃、モダンなコーヒーショップが出来て、

友達と行くときは、もっぱらそっちの方へ。ほんとは、ちょっと古臭くなった「ゆかり」で

フルーツポンチが食べたかったけど、「あっちでフルーツポンチ食べようよ」って恥ずかしくて

言えなかった。小さい頃うれしくて妹と並んで夢中でほおばったフルーツポンチが

ほんとは食べたかったけど。

食パンがしっかりとしたつなぎになった大きな大きなハンバーグや意外と柔らかかった

ポークステーキも、ぼんやりながらも記憶に残っている。

母の薄味のかやくご飯も祖母の濃い味の五目寿司も。祖母がよく砥いだ包丁でスパッと

切ったただそれだけのトマトも。切り口のそろったほうれん草のお浸しも。

とろみづけに片栗粉の入ったカレーも。自転車でやってくる豆腐やさんを追いかけて

お鍋を渡して「絹こし一丁!!」と言う時のちょっと得意気な気分も。お金を渡すと「おおきに」

って私の頭をポンポンとしてくれた時のうれしさも。

我が家のメニューを考えていると、ふっと頭をよぎる子供の頃の食の記憶。

ちょっと前までは、そんなことが大事なことだと感じなかった私に、じゃ何が大事だと

思ってきたのか?と聞いてみた。忙しい大人たちに囲まれて、時々おいてけぼりを食った

みたいに寂しくなって、ふてくされてみたりひがんでみたり、そんな自分の姿だけが愛しいと

思ってきたの?と。ご馳走って他にあったでしょって、言いたかったの?と。

生きていくのに何もかもが精一杯の大人たちから、宝物のように

育ててもらったことこそがほんとのことなのだろう。その一日一日が今の私を作ってくれた

のだろう。そのことをもっとうまく言える日が来るように、これからも毎日いろんな記憶を

手繰り寄せて、今は亡き祖父母や年老いていく両親に感謝して、生きていこうと思う。
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by morinotomosibi07 | 2008-09-09 14:37 | 自分のこと  

ライバル

月曜は次女エリさんの英語教室の日。まあ、一週間の早いこと。そう思いませんか?

生徒さんを待つ間、料理する私を覗き込みながら「製作中もね」とパチリと撮ってくれた。

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土曜の夜、小さい頃のビデオを見ながら、一番変わったなあ、と思ったのはエリさんだ。

4、5歳頃のエリさんは、とにかく、いつもカメラの前に陣取って、その丸い顔を

ファインダーにくっつけてはご満悦の表情で登場。そのスキを縫うように、私は必死でケイさん

の姿を収めようとカメラを回す。「もー、エリちゃん、やめなさい。あら~ケイ君かっこいいねえ」

それにもめげず、「ピィース!」と満面の笑みで再び登場。元気いっぱいのエリが

そこにいた。一緒に見ながら笑うエリさんを横目で見ながら、(丸い顔は変わってないな)

と思ったけど、(いつからこんなに思慮深くなったのだろう) 負けずきらいのエリは、

ケイさんとのジャンケンでアイコのくせに、勝ったフリするのが上手だった。

いつもケイさんを負かしては、「エリちゃんやめてよ~」と泣くケイさんに、勝ち誇った笑顔を

振りまいていた。負けずぎらいも変わってないけど、女であることと、体が丈夫じゃないこと

のハンデで、自ら野球をすることは叶わなかったけれど、野球に打ち込むケイさんをいつからか

ダレよりも応援するようになった。憧れと羨望のまなざしで眩しそうに弟を眺めていた。

幼稚園に上がった頃のビデオには、ちょっと恥ずかしそうに友達の後ろに隠れる姿が

写ってて、(おや?)と思ったけど、弱々しい弟を自分なりに一生懸命守ってきたのかなと

思った。今はお互い勉強ととバイトに明け暮れる日々のなか、お互いの存在がいい刺激に

なってるのかな。やっぱり2人は永遠のライバルかなと思った。

出来上がった料理は、ピーマンとナスのファルシとオレンジのサラダとカボチャのスープです。

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by morinotomosibi07 | 2008-09-09 10:58 | 次女エリのこと