2008年 09月 10日 ( 1 )

 

秋の夜長

昨日は仕事が休みだったので、昼間エリさんと「かもめ食堂」のDVDを見た。

一度見たことがあったので、「これを見るとおにぎりが食べたくなるからね」と

エリに言うと「なんで?」 「まっいいから、いいから。おにぎり食べながら見ようぜ」

昨夜の残り物のナスのファルシを詰めたおにぎりと、梅干のおにぎり、甘い玉子焼きに

弁当の残りのポテトサラダを盛り合わせて、おにぎり定食のできあがり。

テーブルに運ぶと、「わっ早っ」 「早いのだけは得意ですから」

やっぱいいですね。なんかこう、しみじみしてて。もたいまさこさんはいつもしみじみしてる

けど、片桐はいりさんのあの強烈な存在感さえしみじみと感じるくらい、

上手く言えないけれどなんかこう、しみじみしてて。

しみじみ、しみじみ、って繰り返し言ってると、途中から(しじみじ?えっ?しじみみ?)

って訳がわからなくなるのは私だけでしょうか?

もともと大好きな小林聡美さんはさすがですね。独特の透明感とでも言うんでしょうか。

演じようとしていない力の抜け具合がとっても良くて、ほんとにあの「かもめ食堂」に

行ったら、彼女が料理を作ってそうで。コーヒーを淹れるときやサケを焼く時のあの

丁寧かつさりげない手さばきは、忙しい合間を縫ってようやくコーヒーを飲むときや

ご飯にありつく前のガツガツした気持ちを優しくなだめてくれてるようだ。

それにフィンランド語なのか、彼女が自然にとても上手な発音で話すのを聞いて、

(女優さんってすごいな。小林聡美はやっぱいいな。さすが三谷幸喜の奥さんだけあるな)

と思ってしまった。「いつか絶対フィンランド行こうな!」とエリさんと誓った。

夜は、絶対ダンナと見ると決めてた「明日の記憶」を見た。映画と言えば、「寅さん」か

「戦争もの」しか見ないダンナを説得するのが大変だったけど、「樋口可南子」と聞いて

見る気になったようだ。渡辺謙さん演じる仕事一筋の会社員が49歳にして、アルツハイマーに

なってしまうという重いテーマだ。謙さんに現れる病気の初期症状に、私達も(それ、あるある)

猛烈な仕事人間ぶりに、ダンナが「かつてのオレみたいだ」と深く溜め息ついたり、

謙さんが病気のせいなのか、自分を責めたり、奥さんを責めたりするところは、

(私達もそうやってケンカする)と共感するところだらけ。

ただ、どこまでも優しく謙さんをいたわり、寄り添おうとする奥さんのようになれるかどうかは

わからないけれど。重いテーマのわりに、ジメっとしたところがないのは、これまた

樋口可南子さんの美しさと聡明さがそうさせてるのと、挿入歌がかっこいいロックだったり

したからかもしれないな。私だって、男だったらあんな奥さんに介護されてみたい。

見終わって呆然とするダンナに「感想は?」と聞くと、ハッと我に帰って、「うん、いろいろある。

いろいろあるな」と言ったきり黙ってしまった。「私はね、こう思うのよ。バリバリ働いてた

時の謙さんより、病気になった謙さんの方が人間らしくていいな。そりゃあ、病気は悲しいし

元気な方がいいけど。元気な時の人生が第一の人生なら、奥さんと2人で向き合って暮らす

のが第二の人生ってことかな。ちょっとでも病気の進行を遅らせたり、もしかしていい薬も

見つかるかもしれんやんか。2人で明日に向かって力強く仲良く暮らしていけたらいいね」と自

分に言い聞かせるように言った。ダンナも「うん。うん。」と頷いた。映画のなかのセリフをマネし

て、「私がいるじゃない」って言おうとしたけど、恥ずかしくて言えなかった。

でも映画を見ながら、いつになくダンナのことが愛しくなって、心の中ではつぶやいてみた。

「私がいるじゃない」
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by morinotomosibi07 | 2008-09-10 15:53 | ダンナのこと