2008年 09月 12日 ( 1 )

 

ウソ~

高校の家庭科部に所属するユリ氏。文化祭のステージ発表に向け、連日衣装づくりに

励んでいた。おとといの本番の日の朝。「ステージでこける夢見た…」と緊張の面持ちで

学校の門をくぐった。

お茶会からアタフタと体育館の方へ向かう私とエリさんの前に、校舎の階段から派手なドレス

姿の一団が現れた。「ちょっと、アレか?」「すごくね?アレ手作り?」

思い思いの衣装に身を包んだ今をときめく女子校生たち。いやあ、かわいいのなんのって。

思わず「自分で作ったの?全部?ほんとに?」と緊張でガチガチな感じの女の子たちに

質問攻めのこのKYなおばさん。そこへ、「あっおばちゃん」顔見知りの女の子。

衣装作りやメイクが得意な彼女の働きぶりはハンパじゃなかったらしい。

「ちょっと、アンタがんばったってなあ。エライわあ」とまたKYにはしゃいでしまうおばさん。

と、そこへ、階段の上の方から黒い影が。見ると深い紺色のドレスのユリ氏。

「あれか?」 「みたいやなあ」 「え~!!!」

親ばか、姉ばかかもしれないけど、いつものユリ氏じゃないその姿に正直驚いた。

「き、き、きれいやな」 「超かわいいし」 いつも冷静なエリさんも興奮気味でバシャバシャ

写真を撮っていた。

生徒たちがドヤドヤと体育館に集まりだし、場内はほぼぎっしり。

「ただいまよりファションショーを始めます」のアナウンスが流れ、こっちまで、ドキドキ。

そこへまたアナウンスが。「静かにしてください。えー、メガネを失くした生徒がいますので、

お心あたりの方は申し出てください」 (なんじゃそりゃ。このシチュエーションでどうやって

失くす?) またアナウンス。(いよいよ始まるか?) 「えー、先ほどのメガネは見つかりました

が、もうひとりメガネを失くした人がいますので、よろしくお願いします」

(いいかげんにしろよ。) 「では、いよいよ開催で~す」 (って、メガネ見つかったのか?)

そんなこんなのアクシデントでこちらも気がゆるんだところで、お待ちかねのショーが

始まった。いやあ、あれですねえ。近頃の女子校生はかわいいやね。それに細いやね。

でも悲しいかな、おばさんにはみんな同じ顔に見えてしまう。みんなテレビに出てる若い

女の子に見えてしまう。

そこへ、ユリ氏が登場。身長172センチときて、ヒールが8センチときてるので、180センチの

ど迫力。隣にはユリ氏の肩くらいのかわいい水色のドレスの女の子。ふたりの登場と同時にも

のすごい歓声。(えっなになに?すごい受けてるやん。)とちょっと鼻高々。(あのー私、あの子

のおかあさんです。私があの子を産みました)って叫びそうな自分を抑えるのに必死だった。

エリ氏も「すごいわ。すごいわ。」といつもの冷静さを完全に失っている。

観覧席の真ん中の通路を歩いてきて、一旦体育館の玄関でモデルさんたちは次の出番を待

つ。そこへユリ氏に会いに行ってみた。「あっおかあさん、親分(エリさんのこと)。どうやった?」

「…よかった」 「私こけんかった」と余裕の表情のユリ氏。隣にはあのかわいい女の子が。

「あなたもかわいいねえ」と言うとユリ氏が「あっこの人、ほらRちゃんのお兄ちゃん」

「あら、そう。Rちゃんのねえ」と言ったところで、「なに~!!!!!おにいちぁ~ん?」

「そうで。お兄ちゃん」 「おっ、おっ、男かよ~」

いやあ、驚きました。驚きすぎて、次の瞬間私はその子の胸をわしづかみにして、

「ほっほんとや」 「ちょっとおかあさん、何しよんの!」一足早く冷静さを取り戻したエリさんに

言われ、我に返った。「お久しぶりです」とさすがに女の子の声にしては低すぎる声で

彼女がいや彼が挨拶してくれた。

「そこらへんの女よりよっぽど綺麗やな」と大きな声でエリさんが言うと、回りにいた

女の子がいっせいに振り向いた。他にも明らかに女装してると思われる男子はいたけど、

彼はレベルが違う。ユリ氏が登場した時のあの大歓声は、(みんなは彼が出る事を知っていた

からか)と思ったけど、いやいやユリ氏もインパクトあった。ほんとのモデルさんみたいだった。

どんなことでも、だれかに感動を与えられるって、すごいことだと思う。

ずーっと親ばかやってきた私は、初めて気付いた気がした。何かに秀でた子供がすごいんじゃ

ない。だれかに感動や夢を与えられることがすごいんだってことを。自分で自分をすごいって

思うんじゃない。だれかにすごいねって言ってもらえることがすごいんだってことを。

だから、感動をくれたユリ氏に「あんた、すごいよ」って、初めて言った。

ユリ氏の夢が叶って、もっともっとたくさんの人に感動を与えることができるように

なればいいなと思った。長く険しい道かもしれないけれど。
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    余裕の表情のユリ氏
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    Rちゃんのお兄ちゃん。こうやって見ると肩が男らしい。
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    まるで「深キョン」のような美しい先輩と。
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by morinotomosibi07 | 2008-09-12 11:08 | 三女ユリのこと