2008年 10月 04日 ( 1 )

 

彼女の名はアナ

ホームステイ一日目は、県庁前でコインブラの方々の到着を待つことから始まった。

ドキドキしながらも、到着時刻が随分下がるってことなので、県庁内をレイとミーコと

ウロウロ。案内板を見ながら「これこれ、この教育委員会って今忙しいんやろ?」と何回も聞く

レイ。「行ってから直接聞いてみたら?」と言ったら、まんざらでもなさそうに「行っていいん?」

ほんとに行きそうな雰囲気だったので、「今はやめとこうか」と言った。次にドナー登録の用紙を

どこからか持ってきて、「これこれ。ドナーになったら死なんといけんの?」 と聞くので

「いやいやそうじゃなくて、自分がいつか脳死状態になったとき、臓器とか提供しますよってこと」

するとレイは「ふーん。おかあさんは私がドナー登録するって言ったらどうする?いい?」

「うーん、難しいなあ。」と答えに窮した。脳死状態のわが子を死んだと思えるか、

いや思えない。自分のことだったら、回復する見込みがないときはどうかもうあきらめて

好きに使ってくださいって言えるかもしれないけど。(うーん)なんて考えていたら、ご一行さま

のバスが入ってきた、と連絡があった。

バスから次々にポルトガルの方が降りてこられて、緊張が高まる。ポルトガル人の

世話人みたいな人と日本のツアコンの人が、ステイされる人とホストファミリーの名前を

読みあげて、ちょっと感激的な出会いの場と化す。そのなか、ダンナと子供たちは、

「おっあの姉ちゃんかな?いや違ったか。」 「ウチはきっとあの人やと思う。あの人やったら

いいかな」 「おいおい、かっこいい青年もおるぞ。どこの家庭に行くのかな。おっあの家の

人か。おばさん、うれしそうやな」  (ええ、ええ、うれしいでしょうよ。あんなイケメンのお兄さん

来てくれるんだったら。)と思った。勝手に盛り上がってるダンナたちに「ちょっと静かに!」と

注意しているとウチの名前が呼ばれた。「ほーら、やっぱりあの子や」といつになく積極的な

ダンナ。紹介されたのは、19歳のとってもかわいい女の子。呆然とながめてたら、ダンナが

すかさず英語で挨拶をして、握手までしてる。子供達も。完全に出遅れた私は、

「ナインティーン?」と唐突な質問。それに彼女は「イエーッス。」と言って、続けてなにやら

ベラベラ言ったがわかるはずもない。「うん、うん」と訳のわからない返事をしたら、首を横に

振って心なしか悲しそうな顔をした。ダンナは彼女の手荷物を持ってあげて、

「ユア バッグ オンリー?」って聞いた。すると彼女はバスの横の大きなキャリーバッグを

指差した。「OK,OK」と言いながらダンナはそれを持ち上げて歩き出した。

彼女が「いやいや、コロコロがついてるから、ころがせば」と英語で言った。いや、そう言ったに

ちがいない。私だってそう思ったんだもん。「おい、ころがせよ!」って。私が日本語で言った

にも関わらず、ダンナはその意味がわからないらしく、車のところまでそのバッグを持上げて

運んでいった。ものすごいスピードで。(やばい。完全に舞い上がってる)そう思った。

「ねえ、ねえ、ここからウチまで30分はかかるよって言ってあげてよ」とダンナに言うと

カバンを降ろして、「えっ。待て待て。えーっと」と言いながら、なんか説明し始めた。

ここでひとつわかった。英語があまり通じない。ダンナは一応日常会話くらいは話せるようだが

それがスムーズに通じない。彼女は英語はそんなに得意ではなそうなのだ。そういえば、

バスから降りてきたとき、巻き舌で明らかに英語ではなそうな言葉が飛び交っていた。

ツアコンの人は英語で説明するんだけど、なんか大変そうだった。ポルトガルだもの。

車に乗り込んで出発して、興味深々な私たちは、矢継ぎ早に質問。いや、ダンナを通して。

「たまには自分で聞いてみろよ」とダンナに言われたけど、無理やわ。聞きたいことがいっぱい

あったり、なにより彼女が何も心配しないでリラックスしてほしいとだけ願ってるということ

をなんとかして伝えたいんだけど、難しい表現はダンナには出来ないし、彼女にも伝わりにくい。

(もっと英語勉強しとくんだった。ポルトガル語をちょっとでも覚えとくんだった)と思ったが遅い。

遅すぎる。そして、遠くフィジーでホームステイ中のエリさんのことがチラと頭をかすめた。

依然として連絡はないが、あちらでどんなふうにお世話になってるんだろう。

家までの道のりがとてつもなく、長く感じた。彼女のほうこそそうだったに違いない。

そして、家に入り、改めて自己紹介。彼女の名前は、アナロッサ。「アナと呼んで」と言われた。

そして、またここからが大変。ていうかおもしろかった。つづきはこの次に。

今晩は、アナの所属する「コインブラ吹奏楽団」のコンサートに行く予定。アナは今ごろ

リハーサル中だ。私もリハーサルするかな。
 
[PR]

by morinotomosibi07 | 2008-10-04 13:32