2008年 11月 14日 ( 1 )

 

ネバーランド

私は子どもが好きだ。というより、子どもの世界が好きだ。

子どもの時は、早く大人になって、誰にも叱られずに、頼らずに、チョコレートを

いっぱい買って、マンガを一日中読みふけったり、朝まで友達とおしゃべりしたり、

チャイムの音だけを心待ちにしないで、いつでも外に飛び出したり、オドオドしないで、

知らない街を歩いてみたり、大きなお財布をおもむろに取り出してみたり、

そんなこんなをしてみたかった。大人みたいに、自由になりたかった。

「そんなことを言うのはね、責任がとれるようになってからにしなさい」

責任を取らなくてはならなくなって、チョコレートどころじゃなくなった。生半可じゃない大人の

世界。息苦しい大人の世界。わけのわからない大人の世界。

一日にチョコを3粒食べて、新聞読んで、徹夜しても着替えて仕事に出かけ、チャイムは

ならないから外には飛び出せなくて、つまらない街を歩いて、空っぽの財布を抱え、

そんなこんなはもうたくさんだと思う。子どもみたいに、自由になりたい。

雨の日にわざわざ水溜りを選んで歩く。変な石が机の引き出しに入ってる。

クリスマスの事を考えると、うれしすぎてどうにかなってしまう。好きなメニューが夕飯に

出ると、一日がとても充実してしまう。まわりの人が自分のことを好きかどうかがいつも

気になる。学校に行かなくてもいい方法を寝る前に絶えず考える。お姉ちゃんのタンスの

中が気になる。ある日こっそり覗いてしまう。そして、その服を着ている自分を想像して

うっとりする。自分が大人になったら、絶対子どもを叱らない、と誓う。特に何かを

こぼしたりひっくり返したりした時は、「あら、あら」と優しく言ってあげる。

お小遣いもたくさんあげようと思う。子どもの前で夫婦げんかなんて絶対しないと

目の前の親を見ながら思う。うちの家はほんとは大金持ちなんだと思ってる。

ドラえもんに会いたい。なぜかケーキ屋さんになりたい。大人の話はある程度理解できる

と思っている。お父さんとお母さんのどっちが好き?と聞かれても、まあ色々ある。

掃除をする意味がわからない。


大人から見れば自分本位でわがままで本能むきだしのそんな子どもたちだけど、

自由で純粋で、パワフルで危険で、優しくて鋭くて、正義で、間違いだらけの

子どもの世界が私は大好きだ。大好きだ。

「子どもは大人になるために生きているのではない。その日その日を子どもとして生きている」

と誰かが言っていた。

大人の世界では言えなくなってしまったこと、できなくなってしまったこと、失くしてしまった

こと。それらを絶えず突きつけてくる子どもたち。「どうなの?どうなの?」と質問してくる

子どもたち。

その日その日を必死で生きてる子どもたちの世界をぶち壊しにしないように、

そしてそこから子どもたち自身が考えたり、立ち止まったりしながら前に進んでいくのを

見守り、助言し、サポートしていくのが、大人の役割なんだろうか。


どっちの世界がいいかと言うと、う~ん、どっちの世界にも片足づつ入れたいんだけど

それじゃあ、コウモリみたいでずるいかな?
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by morinotomosibi07 | 2008-11-14 11:14 | 世の中のこと