2009年 04月 23日 ( 1 )

 

金婚式だって

昨晩、実家の母から電話があった。妙に初々しいような、恥ずかしそうな声でこう言った。

「今日はなんの日でしょう?」

「あ~今日は伸ちゃん(マイ・ブラザーです)の誕生日やろ」

忘れもしない、9歳離れた弟が生まれた日。妹や近所の遊び友達とその誕生を待ちわびた日。

遊びのメンバーがまた一人増えることが嬉しくて、みんなで首をなが~くして待ったあの日。

もちろん、生まれてくるのは女の子だとだれもがそう思い込んでいた。しかも、私達はその子が

もうすぐにでも自分達といっしょに、そこらじゅうを駆け回って遊ぶものだと思い込んでいた。

「あそこへ連れて行こう。そうだ、あそこへも…」などと毎日相談したものだ。

それが生まれてみてビックリ。なんと男やし、それに…それに…なんて小さい…

いつになったらいっしょに遊べるのやら、とがっかりした。

でも弟はすくすくと大きくなり、ヨチヨチ歩きの頃には弟お気に入りの手押し車に乗っけて

友達に弟を自慢するように散歩に出かけた。幼稚園のスモッグのポケットには、

母の代わりに私がてんとう虫のアップリケをしてあげた。私が高校生の頃には弟とおそろいの

つなぎのジーンズを履いて、買い物に行くのが私の密かな楽しみだった。

「あら~若いおかあさんだこと」と人に言われたけど、私はそれを否定することなく、

むしろニコっと笑って、軽く会釈した。そのときの何ともいえない優越感に似た甘い気持ちを

私はその後何回味わっただろう。

ボーイフレンドとのデートの時にも、私は弟を自転車の後ろに乗っけて連れて行った。

最初は珍しがって、よく遊んでくれたボーイフレンドも、プールに行ったときに

水を怖がって泣き叫ぶ弟に困り果て、もう連れてくるな、と言った。

そんなこと言うなら、もうあんたなんかとデートしないし、と私は心の中で舌を出した。

中学でテニス部に入った弟の様子をこっそり覗きに行き、目を細めながらいつまでも眺めた。

弟の高校の入学式には、もちろん私が行った。私と同じ高校だったので、当時お世話になった

先生もまだいらして、「えっ?」と変な顔をされたけど、「弟です。私と違って、ものすご~く

真面目ですので、よろしく」といったような挨拶をしたような気がする。そして先生がものすご~く

ほっとした顔をしたような記憶がある。

弟が初めて実家にガールフレンドを連れて来た時には、私にはもう娘がいたのだけれど、

その娘を使って、思いっきりジャマをしてやった。何回かジャマをしてやったある日、彼女がむくれて

帰ってしまったことがあった。「そんな女はロクなもんじゃない」と小姑根性を丸出しにして

弟に説教した。今考えればヒドイことをしたもんだ。

そんなこんな弟もいまや二児の父親だ。ちょっと頑固で、泣き虫で、でも誰にでも優しい

マイ・ブラザーの昨日は40回めの誕生日だった。

話が長くなりましたが、そんな感慨にふけっていたところへ、昨夜の母からの電話だったわけで。

「今日はなんの日でしょう?」と母が聞くので、「伸ちゃんの誕生日やろ」と答えた。

すると「それはそうやけど、伸ちゃんのことじゃなくて、私のこと!私、私!ていうか、私ら!私ら!」

と母が妙にはしゃいだ声で言うのだ。「私ら!って、だれよ?」

「あんな~今日はなあ~私らのなあ~50回目の結婚記念日~!!」

「え~!今年とは聞いてたけど、今日が結婚記念日とは知らんかったしなあ。伸ちゃんの誕生日って

ことは毎年思い出すんやけど」

「チャミ(マイ・シスターです)は知ってたで~。さっき電話くれたで~。いやあ、私らもなあ、伸ちゃんが

生まれた時に奇遇やなあ、とは話したんや」

悪いんですけど、私はそんな話、この歳になるまで聞いたことがない。いや、ほんと。

両親の結婚記念日がいつだったかということをこの歳まで知らなかったというのも情けない話だと

は思うが。だって、過去に伸ちゃんの誕生日っていうんでお祝いしてたけど、そちらのお祝いって、したこと

ありましたっけ?普通、「今日は伸ちゃんの誕生日やけど、私達の結婚記念日でもあります!」

なんていって、「いやあ、それはめでたい日やなあ」とか言って、みんなでお祝いするやろう。

私にはそんな記憶まるでないんですけど。でも、妹が知ってるということは、私だけ?私だけが

何かしらの事情で、知らされてなかった?もしかして私の誕生日と関係が?

私が生まれたのは、両親が結婚した翌年の3月。4月に結婚式を挙げてるということは、

待てよ、え~っと、ん~っと……ま・さ・か…できちゃった婚?いや、計算合うか。

って、なんの計算だよ~

もしかして、出来ちゃった婚がばれるから、私には4月だといわなかったのか、とか思ったりしたけど

そんなんでもなさそうだ。まっそんなことどうでもいいや。とにかく、母はやたらテンションあがってて、

うれしそうなのだ。

日ごろは、父の悪口散々言ったり、「今は家庭内別居やわ」とか言ったりしてるくせにだぞ。

私もそうだけど、夫婦って、不思議だ。仲がいいんだか、悪いんだか。

今年はお祝いに新婚旅行に行ったところにもう一回旅行するんだそうだ。仲良きことはいいことだ。

ってことで、あらためて、パパ、ママ50周年おめでとう!!私達も負けずに頑張ります。
[PR]

by morinotomosibi07 | 2009-04-23 09:51 | 家族みんなのこと