<   2008年 10月 ( 15 )   > この月の画像一覧

 

ホームステイは楽し

さて、ホームステイ一日目。自己紹介も済んだところで、私は急いで夕飯つくり。

ダンナは、アナを泊める部屋に案内したあと、ちゃっかり自分の部屋に連れて行き、さっそく

JAZZを聞かせた。「ジョン・コルトレーンが好きだってさ」と嬉しそうに。飲み物を勧めたら、

以外にも日本茶がいいとかで、「おいしい」と言って飲んでいた。(もちろん英語で)

外国の人は皆陽気で、テンションが高いと思い込んでいた。ましてラテン系とくればなおさらの

こと。しかし、アナはちがった。とても物静かで大人しい。それに恥ずかしがりやで心配症。

年齢も若いし、一人で異国の他人の家で過ごすのだから、無理もないことと思うが、見ていて

とても心配なほど、元気がなかった。みんなでテーブルについて、ダンナが「じゃ食べようか!」

と言うと、子供達はいつものように「いただきまあああす!!」 これがアナにはツボだった。

初めて大声で笑った。なので、みんなでもう一回言った。「いただきまあああす!」

私が身振りで、「アナはお祈りとかしないの?」と聞くと、笑いながら手を振って「ノーノー」

「えーお祈りせんといけんのやろ。こうやって。」と手をつないでみせると「ノーノー」と

噴き出した。キリスト教にもいろいろあるのかと勉強になった。

その後、ユリ氏が「ロックとか聞く?」と英語で質問。さすが現役。「イエース」とアナ。

「ローリングストーンズ知ってる?」 「オフコース」 だいぶ元気が出てきて楽しそうなアナ。

「おかあさん、セックス・ピストルズは好きかって聞いていいかな」とユリ氏が言うので

「いいけど、発音に気をつけてな」 と言った。「発音気をつけるって言ってもそのままか」

と言い直したら、ユリ氏が「ヨシ!」と言って小声で聞いた。そしてアナがセックス・ピストルズも

好きと聞いてユリ氏は「やったあ!!」とガッツポーズ。

夕飯は盛り付けてみると、外国の人からすると、少なめに見えたかなと思ったけど、

アナは少し残して、申し訳なさそうに「昼間いっぱい食べすぎた」みたいなことを言った。

私が「お箸にトライしてみよう!」と(やきおにぎり)のあんかけを勧めながら言うと、

恥ずかしそうに「使ったことないから、わからない。無理、無理。むずかしい~」と言いながら

一生懸命「なめこ」をつまもうとしていた。それは日本人でもむずかしい。

コロッケはおいしいと言って全部食べてくれた。改めてチエさんありがとう。

その後はアナの街のことや、家族のこと、ペットのことなど色々聞いたりしているうちに

アナが疲れてきて、再び元気がなくなったので、「もう寝たいですか」とダンナに聞いてもらった。

おふろに入ったらすぐに眠りたい、ということだったので、おふろに案内した。

長時間にわたる移動の疲れがピークでも、すぐには眠れなかったのか、アナの部屋からは

遅くまで灯りが漏れていたらしく、ダンナは眠れなかったんじゃないかと朝になって心配して

いた。私は久々のバタンキューで気付かなかった。

次の日もアナはハードスケジュール。まず「血の池地獄」から始まる市内観光にはじまり

その後は長いリハーサル。交流会を兼ねた夕食会。コンサート本番とつづいた。

私たちもそそくさと夕飯を済ませ、コンサート会場へ。正装したアナが忙しそうに打ち合わせを

していて、私たちは「あっ」と声をあげ、まるで家族にあった気持ちになっていることに気付いた。

最初の「大分シンフォニック・ウインド・オーケストラ」の「天国と地獄」の演奏に、今日のコンサー

トは絶対いいぞ!という確信がわき、実際どの曲も素晴らしかった。

このメンバーのなかにレイの部活の先輩である中学三年生も数名含まれていて、大人に

まじっての堂々たる演奏に、驚いた。

「コインブラ吹奏楽団」の演奏は、やはりレベルが違うと言う事は素人の私にもわかるほど。

メンバーはコインブラ大学で音楽を学ぶ学生で、そのエネルギッシュな演奏と抜群のリズム

感に心の底から感動した。哀愁をおびたポルトガルの音楽にも何か日本との結びつきのような

ものを感じた。

興奮さめやらぬ私たちは、「よかったよかった。疲れたやろ。さあ、帰ろうか」と幸せな気分で

演奏を終えてほっとしたようなアナを迎えた。そして、車に乗り込み、「さあ、帰ろう」とした時

…思いもよらぬ出来事が。



時間がなくなったので、つづきはこの次に。  アデウス。
[PR]

by morinotomosibi07 | 2008-10-05 14:29 | 世の中のこと  

彼女の名はアナ

ホームステイ一日目は、県庁前でコインブラの方々の到着を待つことから始まった。

ドキドキしながらも、到着時刻が随分下がるってことなので、県庁内をレイとミーコと

ウロウロ。案内板を見ながら「これこれ、この教育委員会って今忙しいんやろ?」と何回も聞く

レイ。「行ってから直接聞いてみたら?」と言ったら、まんざらでもなさそうに「行っていいん?」

ほんとに行きそうな雰囲気だったので、「今はやめとこうか」と言った。次にドナー登録の用紙を

どこからか持ってきて、「これこれ。ドナーになったら死なんといけんの?」 と聞くので

「いやいやそうじゃなくて、自分がいつか脳死状態になったとき、臓器とか提供しますよってこと」

するとレイは「ふーん。おかあさんは私がドナー登録するって言ったらどうする?いい?」

「うーん、難しいなあ。」と答えに窮した。脳死状態のわが子を死んだと思えるか、

いや思えない。自分のことだったら、回復する見込みがないときはどうかもうあきらめて

好きに使ってくださいって言えるかもしれないけど。(うーん)なんて考えていたら、ご一行さま

のバスが入ってきた、と連絡があった。

バスから次々にポルトガルの方が降りてこられて、緊張が高まる。ポルトガル人の

世話人みたいな人と日本のツアコンの人が、ステイされる人とホストファミリーの名前を

読みあげて、ちょっと感激的な出会いの場と化す。そのなか、ダンナと子供たちは、

「おっあの姉ちゃんかな?いや違ったか。」 「ウチはきっとあの人やと思う。あの人やったら

いいかな」 「おいおい、かっこいい青年もおるぞ。どこの家庭に行くのかな。おっあの家の

人か。おばさん、うれしそうやな」  (ええ、ええ、うれしいでしょうよ。あんなイケメンのお兄さん

来てくれるんだったら。)と思った。勝手に盛り上がってるダンナたちに「ちょっと静かに!」と

注意しているとウチの名前が呼ばれた。「ほーら、やっぱりあの子や」といつになく積極的な

ダンナ。紹介されたのは、19歳のとってもかわいい女の子。呆然とながめてたら、ダンナが

すかさず英語で挨拶をして、握手までしてる。子供達も。完全に出遅れた私は、

「ナインティーン?」と唐突な質問。それに彼女は「イエーッス。」と言って、続けてなにやら

ベラベラ言ったがわかるはずもない。「うん、うん」と訳のわからない返事をしたら、首を横に

振って心なしか悲しそうな顔をした。ダンナは彼女の手荷物を持ってあげて、

「ユア バッグ オンリー?」って聞いた。すると彼女はバスの横の大きなキャリーバッグを

指差した。「OK,OK」と言いながらダンナはそれを持ち上げて歩き出した。

彼女が「いやいや、コロコロがついてるから、ころがせば」と英語で言った。いや、そう言ったに

ちがいない。私だってそう思ったんだもん。「おい、ころがせよ!」って。私が日本語で言った

にも関わらず、ダンナはその意味がわからないらしく、車のところまでそのバッグを持上げて

運んでいった。ものすごいスピードで。(やばい。完全に舞い上がってる)そう思った。

「ねえ、ねえ、ここからウチまで30分はかかるよって言ってあげてよ」とダンナに言うと

カバンを降ろして、「えっ。待て待て。えーっと」と言いながら、なんか説明し始めた。

ここでひとつわかった。英語があまり通じない。ダンナは一応日常会話くらいは話せるようだが

それがスムーズに通じない。彼女は英語はそんなに得意ではなそうなのだ。そういえば、

バスから降りてきたとき、巻き舌で明らかに英語ではなそうな言葉が飛び交っていた。

ツアコンの人は英語で説明するんだけど、なんか大変そうだった。ポルトガルだもの。

車に乗り込んで出発して、興味深々な私たちは、矢継ぎ早に質問。いや、ダンナを通して。

「たまには自分で聞いてみろよ」とダンナに言われたけど、無理やわ。聞きたいことがいっぱい

あったり、なにより彼女が何も心配しないでリラックスしてほしいとだけ願ってるということ

をなんとかして伝えたいんだけど、難しい表現はダンナには出来ないし、彼女にも伝わりにくい。

(もっと英語勉強しとくんだった。ポルトガル語をちょっとでも覚えとくんだった)と思ったが遅い。

遅すぎる。そして、遠くフィジーでホームステイ中のエリさんのことがチラと頭をかすめた。

依然として連絡はないが、あちらでどんなふうにお世話になってるんだろう。

家までの道のりがとてつもなく、長く感じた。彼女のほうこそそうだったに違いない。

そして、家に入り、改めて自己紹介。彼女の名前は、アナロッサ。「アナと呼んで」と言われた。

そして、またここからが大変。ていうかおもしろかった。つづきはこの次に。

今晩は、アナの所属する「コインブラ吹奏楽団」のコンサートに行く予定。アナは今ごろ

リハーサル中だ。私もリハーサルするかな。
 
[PR]

by morinotomosibi07 | 2008-10-04 13:32  

どうなる?ホームステイ

ポルトガルからのお客さまと言うのは、実は「コインブラ吹奏楽団ジャパンツアー2008」

のために来日されたメンバーの一員の方。「大分シンフォニック・ウインド・オーケストラ」の

共演で、明日午後7時から大分コンパルホールにてライブがある。この指揮をされるのが

四女レイの部活で外部講師として指導してくださってる先生という、こういう流れだということが

わかったのは、つい最近。レイは随分以前から言ってたような気がするが、11月ごろかな

なんて言ってたような気がしてたもんだから、みんなで慌てた。しかも2泊とは聞いてないぞ。

ダンナは「うら若き美人の姉ちゃん限定だぞ。先生に言っとけよ」と、この話を二つ返事で

ひきうけたくせに、「よく考えると大変そうだな。おい、朝飯用のパンは多めに買っとけよ」

って、言う事はそれだけか!!ダンナは少し英語が話せるので、そこだけは頼りになるって

いうか、相当頼りにはなるんだけど。今日は夕方県庁まで迎えにいかないといけないんだけど、

とうてい私一人では間がもたないので、ダンナに仕事を早めに切上げてもらって、県庁で

待ち合わせることにしてある。これはおとといの夜決めたことだし、昨晩も「明日頼むね」と

念をおしたのに、今朝になっておじけづいたのか、「もし行けそうだったら電話するから」

お~っと、出た。突然の方針転換。いつものことだけど、今日は今日だけは絶対許さない。

「あのね、もし行けそうとか、そういう話じゃなかったよね!!絶対来てよ!来るのよ!

県庁よ!!」と言うと、力なく「あっそう。そういう話だったっけ?」 「そうです。最初から

一貫してそういう話です!!」と大声で言いながら、ダンナを見送った。

わかるのよ。あなたは極度の人見知りってことは。だけど、英語がわからない私にどう言った?

「ウルルンあるだろ?あの精神でいくんだよ。言葉なんか通じなくてもみんな最後は泣きながら

抱き合ってるだろ。あれでいいんだよ」 って言ったじゃないか。しかも「たった二泊三日で、

そこまでなるか?」って私が言ったら「そうだよ。そこまで行くようにみんなで盛り上げていくん

だよ」って豪語したじゃないか。いよいよ今日になって、おじけづいたか。

軽く想像はつく。ダンナはストレスからまずタバコの量が増える。そして話に行き詰ったら

突然(下ネタ)が入る。飲めないお酒もグイグイ飲み始め、すっかり出来上がる。

でも、さすがに英語で(下ネタ)はむづかしいだろう。

掃除もすんだし、今晩のメニューも決まったので、どうにか落ち着いたけれど、ダンナの

ことを想像すると、胸のあたりがザワザワして仕方ない。

夕飯は今晩だけうちで食べられるってことなので、色々考えた結果、メインは

「じゃがいもとサケのコロッケ」にした。そうです。「pot」さんの今週のおうちごはんから

パクッったんです。チエさああん。ありがとう~。洋風でいくのか和風でいくのか、随分悩んで

それでも今朝まで決まらなかった。でも、「pot」さんのブログ見てピーンってきた。

(よしこれしかない) そして、家の片付けを早めに終えて「pot」まで行こうと思ったの。

でもよく考えたら色んな物の買出しを考えると、時間が絶対的に足りないと思って

あきらめたの。みそソースってのが自信ないんだけど、がんばってみるね。チエさん。

今ジャガイモをゆでていて、サケは焼いた。そのうち一匹は、どうしても食べたくなって

私の昼ごはんになった。ワインも買った。たまたま選んだのがボトルがかわいい

「マテウスロゼ」だったんだけど、これポルトガルのだって。何回か飲んだことあるけど、

気付かなかった。日本に来て自分の国のお酒ってどうなのかな、と思ったけど、私が外国に

行ってもしそのおうちに「いいちこ」とかあったら、絶対感動するよな、と思った。

前菜風にオクラの煮びたし、生ハムとチーズ、玉子焼きを出して、コロッケの付け合せは

バターコーンとブロッコリーのチーズ焼きかなんかにしよう。焼きおにぎりのあんかけと

パンも用意しよう。デザートは「私にはこれしか上手に焼けないケーキ、今日は抹茶風味」に、

生のプルーンと洋ナシ。デジカメをエリさんが持っていってしまったので、証拠写真が

取れないかも。きっと、珍ホームステイになると思うので、後日爆笑ネタをご披露します。

さっジャガイモがゆであがったぞ。
[PR]

by morinotomosibi07 | 2008-10-03 13:48 | 料理のこと  

ボディー・ランゲージ

これまでの反省も込めて、今朝は慌しい朝の合間を縫って、ゲンちゃんに朝ご飯を

あげたり、掃除したりしながら、傷の手当てもしてあげた。

「ゲンちゃんおはよう!」と呼ぶとうれしそうに前足をあげた。

消毒液がしみるのか、大きく「ふー」と息を吐きながら、首をブルっと振る。傷はまだまだ痛々しく

て私もズキンとした。仕事に出かける前、「行ってくるよ」と声をかけてバタバタと

車に乗り込もうとすると、少しご飯を戻していたので、ダンナに言ってから、仕事にでかけた。

つまらなさそうにうずくまって、上目づかいに私の方を見るゲンちゃんのことが気になった。

夕方は、傷の様子を見ながら、頭をなでてあげたら、ダンナにするように、ゴロンと横に

なって、おなかを見せた。そこをなでてやるとなぜか右足だけクルクルと空中でまわす。

撫でる手を止めると、(えっ)って感じで起き上がって、私の手を足でポンポンと軽くたたく。

(もうちょっと撫でてよ)って言うように。

いつでも無防備に誰かを待っていて、こちらから近付けばいくらでも心を開いてくれるこの優し

いゲンちゃんに、同じ生き物として愛情とは何かを改めて教えてもらっている。

言葉を持たなくても充分何かを伝えてくれているゲンちゃんだから、私もゲンちゃんの

望む事が何かってことをちゃんと見てあげないといけないなって思う。

言葉も大事だけど、よーく見てればわかるってことも大事だと思う。

(人間のくせにそんなこと今頃言うなよ)って、ゲンちゃん思ってるだろうか。

夕飯の支度が遅くなってしまって、大慌てで作ったけれど、なかなか上手に出来て

みんなおいしい、おいしいって言ってくれた。その「おいしい、おいしい」っていう言葉が心に

しみた。今日のメニューは、ブタバラ肉ともやしのパスタ、人参と卵とチーズのリゾット、キャベツ

とツナとコーンのサラダ。

明日はいよいよポルトガルのお客様が見えるので、さあ、何を作ればいいのやら。
[PR]

by morinotomosibi07 | 2008-10-02 21:19 | ペットのこと  

ごめんね、ゲンちゃん

今日は仕事が休みだったので、久々におうちの大仕事にとりかかった。

ポルトガルからのお客様をお泊めするのが、明後日ということもあって、片付けにも力が

入った。まずは、ピークを過ぎた夏の花たち。あの暑い夏中一生懸命咲いてくれた。

夏前に好きな花を張り切って植えたくせに、水遣りはほとんどダンナにまかせっきり。

時々花がらをつんだり、草を抜いたりしたけど、ちっともかわいがってあげれなかった。

お隣のおばさんやお向かいのおじさんとも久々にお庭談義。おじさんは、この頃家庭菜園に

力をいれてるようだけど、今年もパンジーを植えるとか。「花はかわいがってあげんと、

きれいに咲かんなあ。花は正直や」と言っていたが、そのとおり。私も大好きなすみれ色の

ビオラをたくさん植えたいけど、かわいがってあげる自信がない。

そこで、鉢の数を減らして植えることにして、鉢を片付けて植えるスペースを小さくした。

でも、少なく植えるってのは、センスを問われる。いろんなことにも言える。少なく飾るとか、

シンプルにってのは、センスを要する。いろんなものをゴチャゴチャ飾ってしまいたくなる

タチの私には至難の技だ。花が出回るまでにはまだ時間があるから、宿題にしよう。

次に不燃物やら、不思議とどこからかいつからかふえている板ぎれやなんかをきれいに

まとめて、落ち葉を掃除している時、ふとゲンちゃん(外で飼っているワンちゃん。本名は

源治)を見た。なんか首のあたりが汚れている。傍に行ってみてみると、なんと、

チェーン状の首輪がきつくなったのか、食い込んでしまっている。この首輪はサイズが

変えられて便利なんだけど、どういうわけか、ゲンちゃんはこれをスルリとほどいてしまう。

そして、ルンルンでお出かけしてしまう。なので、ダンナがほどけないように、きつめにして

そこに小さな鍵までしてしまっていたのだ。ちょっと前から、随分ときつそうだなと

は思ってはいた。でも、食い込んでしまってそこが痛々しくただれて血がにじんでいよう

とは思ってもみなかった。ていうか、毎日見てるようでほんとはちっとも見ていなかった。

いつも慌しく、ゲンちゃんの横をすり抜け、チラっと見て「ただいま」だの「行ってきます」

だのの挨拶をするぐらい。悲しそうな目をしたゲンちゃんは、くるりと背を向けて、自分の

家に入っていく。その寂しそうな後ろ姿が視界の隅に入るけど、(だって忙しいんだもん)

(あんたにとりあったら手も服も汚れるし)とか言い訳を唱えながら、見ないフリしてた。

(いつか私にはバチがあたるかも)と思いながら。

今日そのバチがあたった。ゲンちゃんの傷を見て、もう取り返しがつかないような気がして

膝がガクガクした。ダンナの昼休みを待って電話することにして、とりあえず首輪をなんとか

はずそうとした。首の上の部分が一部かなり食い込んでいて私にははずせそうにないと

思ったので、ダンナの昼休みを待って電話した。なるべく冷静に、報告ていどに、と言い聞かせ

ながらも、ゲンちゃんの生々しいしい傷が頭から離れず、(帰ってきて)と叫びそうになった。

早めに帰ってくれたダンナは「ああ、ああ。かわいそうに。きつすぎたなあ。なあ、ゲン、

痛かろう。オレ気付かんでなあ」と言いながら首輪を強めに一気に引っ張るとスルリととれた。

ゲンちゃんは何事もなかったかのように、いつもと同じように、ダンナに甘え、じゃれついている。

私には見せないゲンちゃんの姿。いつも長いことそうやって2人で遊んでるのか。

「これ相当痛いはずやけど、こいつやっぱ立派な奴やなあ」とダンナが言った。

小さい頃から、おとなしくて、おりこうさんだったゲンちゃん。それをいいことに私は随分

ゲンちゃんに冷たい薄情なことをしてきたと思った。「お前も頭撫でてやれよ」とダンナに

言われ、「痛くないの?ゲンちゃん、ごめんね」と言った。ダンナのことばかり目で追うゲンちゃん

の顔を覗き込むようにみると、不思議そうな顔で見つめ返してくれた。

今日は一日中ゲンちゃんのことが気になって、買い物に出かけても、落ち着かなかった。

何度もゲンちゃんの様子を見に行った。嬉しそうに前足をあげて、私を呼んでいた。

(優しくて立派なワンちゃんやな。もっと大事にしてあげよう) そう思った。

夕飯の時、「ゲンちゃん大丈夫かな」と言うと、ダンナが「大丈夫、大丈夫。傷はすぐよくなる」

と自分に言い聞かせるように言っていた。

えらそうになにもかも自分が一番になってしてると思っていつも大きな溜め息を

ついているけど、実は大事なところは全部ダンナまかせになっていることに、今日は花や動物か

ら教えてもらった気がして、(何年人間やってんだ)って思った。
[PR]

by morinotomosibi07 | 2008-10-01 21:44 | ペットのこと